2012年7月14日土曜日

日田市の記憶

先週から降り続く「これまで経験した事のない大雨」が今週になっても止む気配がない。
熊本や大分県の映像の中に、大分県日田市を流れる花月川の濁流の様子が映し出された。
退職して2.3年頃であろうか、「青春18切符」で中国地方から九州北部に掛けて旅行をした時に、小倉駅から日田英彦線に乗りローカルの旅を楽しんだ事がある。
いわゆる「老春の旅」をしていた。
山また山の中を見知らぬ風景に目をやり、車中の中に飛び交う大分訛りの会話を聞くともなく耳にしながら駅弁など食べ、急ぐ必要のない自由気ままな旅であった。
夜明駅で久大本線に乗り換え、日田駅で降り、予約していた「かんぽの宿 日田」へ宿泊した。

三隈川の中洲に建つ大きなホテルで、8階はあったろうか。
個室の部屋も綺麗で広かった覚えがある。
大浴場の天井は4階位までの高さもあろうか、吹き抜けとなっていたのには驚いた。
源泉かけ流しときているから、湯船を溢れ出して居る豊富さである。
食事も結構豪華?で、地酒などを頼んでちびりちびり独り酒を楽しんでいたら、隣席のご夫婦連れが話し掛けて来た。
何でも地元の方で、月に1度は訪れて居るとの事。
倅家族が同じ敷地に家を建てて住んで居るが、お互いの息抜きとしてここを利用しているのだという。
その時の話の中で、この日田は戦後2度ほど大水害に見舞われ、この辺一帯が湖の様になった事が有り、難渋したとの事である。
二本の川に挟まれ、筑後川となって有明海に流入しているのだとか。
TVで映されている花月川の場所は知らないが、合流される本流があのホテルの眼下を流れていた三隈川の事なのだろう。

日田市はその昔天領で、江戸時代の名残を留めた街並みが多い。
周囲を山に囲まれた盆地のため、大雨が降ると一気に集中してしまう地形が洪水となってしまうとの事。

歴史的景観が残る町並みは、駅の北に広がり小高い位置に展開されているが、その北側の山すそを流れているのが花月川なのであろうか。
新商店街やビジネス街は南口にあり、街を抜けると三隈川に行き当たる。
南口一帯は、大洪水の時に湖の中に沈んでいた場所なのではと、テレビの映像を見ながら当時に思いを馳せるパソ爺である。

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