2012年11月7日水曜日

人並みに風邪をひきました

10月24日、朝、気分優れず。しかし、生徒が待っているので学習館に出掛ける。
翌25日、喉の痛みあり。熱なし。
26日、皮膚と関節に痛みあり。熱は測るも平熱の範囲。
しかし明日は土曜日のため、念のため受診する事にする。
何故なら、パソ爺の発熱の初期症状は皮膚と関節の痛みが始まりだから。

受付の可愛い女の子が「お熱を測ってください。」と、体温計を差し出したが、何を思ったのか机の上の機械でパソ爺の額を目掛けピッと、光線らしきものを当てた。
「7度6分ですね。」
暫く待たされて医師の診断。
喉を見てから聴診器を胸、背中に当てて終わり。
「風邪ですね。」
5日分の薬を処方されて家路につく。
早速1回分を飲み、床に就く。

うとうとしている内に夕方になると、体に微妙な悪寒が来る。
熱を測ってみると、8度9分。
悪寒ますます強くなり、震えが止まらなくなる。
鼻腔が猛烈に痛く、息をするのも辛い。
しかし息をしなければ死んでしまうから口呼吸をしたり、鼻に冷たい濡れタオルを当て呼吸を冷却する。
2回目の薬を飲まなければならないから夕食を摂るが、「麦畑」の一節「食器を持つ手が震えてる・・♪♪・・」の状態。
薬を服用して床に入るが頻尿になってしまい、1時間置きに起き出さなければならないのが大変。
見兼ねて妻が持ってきたのが尿取器。
日赤で経験済みだが、これがなかなか難しい代物である。
筒先を差し込むようにして排尿するのだが、寝てたままの姿勢だから平衡感覚を保つのが難し。
日赤の時は1時間置きに看護師さんが巡回し、綺麗にしてくれていたが家ではそうはゆかない。
第一、外に溢すな松茸の露を溢したら寝床が浸水してしまう。
狭い家だから匂いが充満してしまう恐れがある。
結局使う事も無く、一夜を明かす。

熱があるためか、熟睡出来ないまま思い浮かんだのが芭蕉の「旅に病んで夢は枯野を駆け巡る」の句である。
旅先でもなく、自宅の居間で寝ているのに、なぜかこの句が出て来た。
芭蕉が老いた身を旅先の宿で呻吟している状態と、この76歳の老いたパソ爺が同一感覚となると言う事は、人間老い先短くなるとこうした心境になるのであろうか。

27日一日就寝。夕方37度台となる。
28日一日就寝。36度台となりやや改善の兆し。
29日妻が同一症状で受診。
30日かなり改善。この週は2講座とも休講にしてあったので気楽にしていられる。
31日薬が終わったので再度受診。帰りに買い物をして帰る。
こうして丸1週間、風邪と戦い、克服できた。
妻は熱も出なく鼻水で治まり一安心。健康な妻に感謝。
何故ななら、寝込まれては病み上がりが看病をしなければならなくなる。

落語の「厩火事」の中で、ぐうたら亭主の気持ちを確かめる女房が、わざと亭主の大事にしている骨董品を壊し怪我をする。
それを気遣う亭主に「お前さん、そんなに私の方が心配なのかい?」と、嬉しそうに聞くと、「なあに、お前に怪我をされると、明日から遊んでいられなくなるから」と、答える件がある。
パソ爺はそんな気持ちではありませんよ。
あくまで女房丈夫で、働いてくださいが心情である。
あれ?ぐうたら亭主と同じか。