2013年3月21日木曜日

夜来風雨の声

3月21日、深夜、風の音に目を覚ます。
一昨日の夏日が一転しての激変である。
往々にして此処群馬は、強風が吹き荒れ砂塵が天空に舞い、赤城山のすそ野が黄色く霞むこともしばしばであった。
そうした季節風はこの春先に多い。
 
立て付けの悪い戸障子がガタガタと打ち鳴らされ、家中が息をする様だ。
そんな夜半の物音に耳を澄ませていたら、「夜来風雨の声/花落つること知る多少」の漢詩の一節が思い浮かんだ。
まさにその通りの情景が外では繰り広げられているのだろう。
藪椿の花が吹き飛ばされ、蠟梅が必死に枝にしがみついているか。
 
武士社会での椿は、忌み嫌われていたそうである。
花の落ちる風情が、首が落とされるに通じるとかで。
今の世はそんなことお構いなしであるが、ボッタと落ちる形はあまり宜しくない。
左写真は今朝の様子である。
成る程、首根っこから落ちている。
 
漢詩と言えば思い出す事が有る。
高校の授業に週一回漢文の授業が有った。
勉強も録すっぽしないでテストを受けるから分らない。
廻りも大学受験に関係のない授業には力を入れていない。
だから、カンニングが横行していた。
教師も素知らぬ顔をして見過ごしていた様だ。
それを横目に見ながら吾輩は、「武士はくわねど高楊枝」と書き、後は白紙で提出した事が有った。
答えが分から無くてもカンニングだけはしないよ、との意味を込めたものであった。
そんな洒落は通じる訳が無く、零点の答案用紙が返って来た。
 
止まぬ風音を聞きながら、そんな事まで思い出してしまった一夜であった。
 
 
 

4 件のコメント:

  1. 昨夜の風音、ほんとに凄かったですね。群馬の空っ風、今年は、例年に比べ多い様で、我が家の古い家は毎回後の掃除に苦労しています。

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    1. デコさん
      ご同様です。
      来月から、新栄町ですね。

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  2. 我が家の裏には権現山があり、強風が吹くと、吹き抜けていく風の音に、風に大きく揺れる松林の雄叫びが合唱となり、不気味な声に包まれることが度々です。漢詩のお話を読んで、苦労した高校の漢文の授業が、懐かしく思い出されました。

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    1. ヒロシさん
      もっと勉強して置けばよかったことが、この終盤になって分ってきます。
      遅かりし由良の介でしょうね。

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