2011年12月17日土曜日

江戸落語と上方落語

どうしてこうも比較をしたがるのか。
不思議な性格である。

現在発行されている「昭和の名人完結編」26巻が22巻まで発売された。
前回も同様の企画物があり、やはり同じような形で有ったが、今回は上方の落語家が7人ほど名を連ねているのが特徴である。
折角購入したものだから再生して見るのだが、聴きずらい。
耳慣れない関西弁が早口で喋るので、何を言っているのか分からないし面白くない。
特に年取った落語家ほど訛りが強く、喋り方が汚らしい感じさえする、と言っては失礼であるが。
その中でも、桂枝雀は東京での公演が多く、これはこれで聴ける噺であるが、上方落語の大名人と言われる桂春団次の録音を聴いた事があるが、とてもじゃないが聴けたものではない。

これに対して、江戸落語は標準語で話すのであるから、耳に抵抗なく入る。
しかし、概して名人と言われる人の落語は面白くない。
桂文楽しかり、この人の落語は時間通りにきっちりと終える計算され尽くしたものと言われている。
落語は前回にも述べたが、八方破れかとぼけたものが面白い。
桂小文治や柳家小せん、お祖父さんまでは八王子の大地主であったが、没落して残っていたのは借金の証文だけで、それが市の文化財として保存され先祖の恥晒しをしていると言って笑わせる春風亭柳昇などが良い。
こうした人達の噺は間が良い。一口話しては暫く様子を見る様な間を取って話すので、聴いていて疲れない。
江戸落語も早口で機関銃の様に立て板に水と喋りまくるのは苦手であるが、上方落語よりましである。
しかし、この全集には林家三平は収録されていないのはなぜか。
必ずしも名人とは言えない人であったが、昭和の爆笑王とまで言われて茶の間を賑わせた落語が聴けないのは寂しい。
こういった時代であるからこそ、あの様なナンセンス落語で笑い飛ばして、辛い事や浮世の悩みを払拭出来たらと思う。
三平も2男坊が2代目を襲名したが、兄の正蔵と同じで名前負けがしているのが残念である。

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