2010年11月2日火曜日

不屈の男 森田 修さん

森田さんと言っても知っている人は少ない。
近所に住む今年60歳になる政治家志望の薬局経営の薬剤師で有る。
千葉大学の薬学部を卒業したが、政治への思いが募り政治学科も卒業した変わり種である。

昔々と言っても16年前ぐらい、薬局経営の傍ら学習塾を開いていたが、或る日或る時、市議会議員選挙に突然立候補して当選してしまった。
後援会も作らず、地元の有力者の手も借りず、人柄の良さで集まって来たボランティアの手作り選挙であった。
当時地元には2期目の現職が立候補していたが、構わずの立候補で二人とも当選したから良かったものの、現職が落選したら怨念選挙になる処であった。
それから2年も経たずに、衆議院議員選挙に出馬してしまった。

それからがこの人の苦難が始まったと言っても過言ではない。
この選挙で落選し、その後2度挑戦をして跳ね付けられてしまった。
この間、結婚をして夫婦二人三脚で政治活動をしていたが、自民党の壁は厚く如何ともし難い結果であった。

暫くは隠忍自重していたが、政治への志止み難く、再び市議会議員選挙に立候補し当選。
この時は任期一杯、議会活動を全うした。
福祉や通学路の問題に積極的に取り組み、且つ福祉活動の実践者としても活動して来た。

2期目の選挙は危ないと言われるが、そのジンクス通りこの春の選挙は落選してしまった。
油断していた訳では無いのだが、1期目の活動が自信となって選挙運動が緩慢になってしまった。
前回の選挙に有った緊迫感が無く、高齢化した後援会の動きも鈍く、地元から対立候補が出ていたが楽勝ムードが漂っている状態であった。
自分のした事が、めぐりめぐって2期目の選挙で仕返しされた様な戦いになった。

投票行動は、立候補者が挨拶に来たか来なかったかで左右されるものである。
例え隣近所でも、知人友人でもそうである。
2千枚の選挙葉書を出すより、1千人との握手で有るらしい。
候補者に親近感を持って貰う事が大事で、高邁なスローガンや選挙カーからの連呼だけでは投票して呉れない事を分からせてくれた。
更に、身内に敵を作ってはならない。
敵となった者は、傍に居ただけに色いろな事を知って居ると思われるから、有る事無い事が全てが真実として受け止められてしまう怖さがある。

この森田さんが、落選の傷癒えぬと言うのに再び不死鳥のように行動を開始したのである。
来年4月に改選される県議会議員選挙に出馬する事を表明したのである。
2勝4敗の選挙結果もなんのその、混戦模様の選挙に割って入る事になった。
形勢は断然不利にも関わらずにである。
これを七転び八起きの「不屈の男」と称すべきか、はたまた向う見ずの「政治バカ」と言うべか、言う言葉を知らない。

しかし、常に男は挑戦する志を失ってはいけないと思う。
「水滴石を穿つ」の例えが有るように、精神一到何事か成ざらんの精神こそ日本人が、現代人が忘れてしまったものかもしれない。

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