2013年4月22日月曜日

けち臭い話 2

2011年12月7日、「けち臭い話」を投稿したが、今回も似たような話題である。

今朝、忠犬コロの運動?、いやパソ爺のリハビリーが目的の散歩に出かけた時の事。
何時もの通り杖と犬のトイレ道具一式を持って、今日はF工場の駐車場に行く。
先月頃から駐車場の一角に「FamilyMart」が出店準備していたので、工事の進捗状況も気になっていた。外見は出来上がり、内部もかなり出来上がっている。
貼り紙に「4月26日オープン」と書いて有る。
工事関係者も来ていない時間だから、近くに寄って内部を観察しようと側溝に架かっているグレーチング(雨水を排除する網状の金蓋)を跨いだ時、杖が網目に入り危うく転びそうになった。
咄嗟に足を踏ん張り杖を引き抜き大事に至らず歩き出したところ、杖の先が「コツ、コツ」と言う音になっている。

パソ爺の杖は、ゴムの先が付いているから、そんな音は普段しないのにと見たら滑り止めのゴムが無く、金属がむき出しになっているではないか。
辺りを見回したが無い。
グレーチングの網目に入った時かと、側溝の中を観たら案の定落ちていた。
網目に差し込んだ時に、慌てて引き抜いて金具に引っ掛けてしまい、スポット抜け落ちたものらしい。
深さが1メートルもあり、グレーチングもボルトで固定され、例えされていなくても持ち上げられたものではない。
そこで、網目から杖を差し込み先端に押しこもうと試みたが、ゴム先は右に左にとコロコロ動き、とても捕まえられたものではない。
そうこうする内に人通りも増えて、犬を連れた年寄りが側溝の中を覗き込む姿を奇異に見ている眼が多くなって来た。

高々5・600円程度のゴム先だからと、釈然としないが諦める事にする。
犬も排便がしたいらしく、落ち着かなくなっている。
家に戻って事の顛末を家内に話したら一言、「石井スポーツで付けて貰ってくれば。」で片づけられてしまった。
しかし、どうやって取り出せるものか、こんな考えが小半日頭の片隅に残っていた。
鋏状のものを棒に縛りつけたらとか、トリモチの様に糊状をのもを棒先に塗り付けるなどなど。
そして閃いた。
細い金属状の棒の先に、針を付けて突き刺して引き上げる。
簡単で手っ取り早く出来る。
早速、ピン止めを切断して、針先を金属棒にガムテープで固定して出来上がり。
それを持ってリベンジとばかりに靴を履く。

「何処へ行くの?」
「朝のゴム先を取り出しに。」
流石に呆れた顔で「転んで怪我でもして、高いゴム先にならない様にね。」と、のたまわく妻の言葉を背中で受け、男一匹パソ爺は針先を付けた棒を持ち、勇躍朝の側溝へと出掛ける。
(講談ならここで、パパン、パパンと扇子で見台をたたく場面なのだが。)
そしてつつく事3・4分、針先がゴム先に突き刺さり慎重に引き揚げ作業に入る。
グレーチングに触れてしまえば再び落ちてしまうから、原子炉から燃料棒を引き上げる様にゆっくり、ゆっくり引き上げ、とうとう地上に出す事に成功した。
この達成感は、経験して初めて味わえるものである。
たかがゴム先、されどゴム先に精神を集中させる根性や我ながら見事。
人はこれをケチと呼ぶか、はたまた勿体ない精神の究極と言うか知りたいものであるが、考えて見れば暇人と言う事か?。
粘着質のストーカータイプと、言われるのが落ちかもしれないが、でもこれで一件落着、落着。

1 件のコメント:

  1. 他の人に何と思われようと、頑張って成功した時の達成感、何となく解ります。色んな場面で,1度位皆さん経験して居る様な気がします。何時も、先生のブログ楽しませて貰っています。

    返信削除