2012年12月20日木曜日

パソコンボランティア・Mellowネット発足10周年の裏話

10年前の6月、梅雨入りも近い曇天の日、伊勢崎市南公民館の1室に寄り集まった6人が、今思えば途方もない事を話し合った。
「現在進められている行政のIT講座から落ちこぼれた高齢者を、救済しようではないか。」というものであった。
 
当時、森内閣の政策として「IT革命による不況回復」として各自治体への1億円交付でパソコンが整備され、関係団体及び社会教育機関が競ってIT講座を開講した時期であった。
伊勢崎市は、各公民館に11台、生涯学習館に22台、インターネット接続完備。
テキストは県の情報管理課が作成したもので、此れが公式テキストで全県に配布され使用された。
官制IT講座は、今でも同じらしいのだが4日間でパソコンのイロハ、Paintでのマウスの練習、初歩のWord、Excel、インターネットとメールを若い女性講師が、文字通りマニュアル通りの教え方をしていた。
内容が盛り沢山のうえ、進み方が早く、片仮名言葉が分からない、マウス操作が出来ない、ローマ字入力が出来ないなど、高齢者にとって勇んで受講して見たものの、全くのチンプンカンカンの4日で終了し、また他所の公民館なら分るのではないかと渡り歩き、結局幻滅を味わっていたのが現状であった。
 
集まった6人は、 平成12年群馬県長寿社会づくり財団主催「高齢者パソコン&インターネット指導者養成講座」及び翌13年同財団主催「高齢者パソコン&インターネット指導者養成フォーローアップ講座」を受講した者達であった。
 
官制講座とは違った「高齢者に分かり易く、丁寧に、長期間の講座」を立ち上げ、高齢者の学習意欲の手助けをする、こうしたパソコンボランティア活動の呼び掛けに応じた6人が共鳴して行動を共にすることになった。
しかし、集まった6人は公的資格などなく、教育経験もないずぶの素人で多少パソコンがいじれる程度の者から、仕事でパソコンに従事していたリタイヤした者とか、技術の差が有る。
構想は纏ったが、学習する場所無い、パソコン無い、テキスト無い、募集の手立てが無い等々の無い無い尽くしである。

最初に目を付けたのはシルバー人材センターであった。
此処が主催で人集めをして、我々がサポートするという形をとる事にして、交渉をしたのである。
センターとしては行政がしている事であり、態々パソコン学習に手を出すのか、とした遠慮があった。
当時、センターの事務長は市からの天下りで、そうしたことで二の足を踏んでいたのを説き伏せ、県の老人会連合会からパソコンを11台借り受ける事が出来た。
プロジェクターはシルバー人材センタと同じ会館に入っていた歯科医師会から借りて貰う事が出来た。
現役であった一人が、会社の拡大コピー機で畳1畳近いパソコンのキーボードを作って来てくれたのは説明で大助かりであった。
この現物は、三郷公民館に保存されており、現在でも使っている。
この方は、77歳でこの12月に故人となってしまい、祝賀会に顔を見せる事が出来なかった。

募集を掛けたら10人ほど集まってくれた。
テキストは、知り合いのパソコン教室主宰者から供与して貰い、それを中心に開講する事にした。
しかし、これでは官制講座と同じスタイルとなってしまうので、前日の講座で分からない事やパソコン相談を午前中に行い、午後本講座をするというスタイルをとった。

上毛新聞も噂を聞きつけ、取材に来てくれた。
翌日の紙上で、「高齢者パソコン 同世代がサポート」として報道された。
こうして紆余曲折はありましたが、大勢の協力者によって今日を迎える事が出来たのである。
                                                                                           

 


2 件のコメント:

  1. ブログ読ませていただきました。我々が生涯学習館でパソコンの勉強をしていられるのも、近藤先生はじめ、多くの協力者の長年のご苦労とご努力によるものと思い大変感謝しております。これからも中高年の方々にパソコンライフの楽しさを広めるべく、ご活躍ご発展されることをお祈り申し上げます。

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  2. 先生たちの努力、ご苦労が、浮かんで来る様なブログ拝読しました。お陰様で、私も少しずつパソコンの楽しさを実感している所です。御身体を大切にして戴いて、何時までも活躍して頂きたいと思います。

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